神奈川・横浜北労働基準監督署は、今年3月に横浜市内の木造3階建家屋解体工事現場で発生した労働災害に関連して、
解体業の会社と同社現場代理人を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で横浜地検に書類送検
しました。
解体現場で、飛沫防止用のブルーシートを張る作業を行っていた作業者が、地上から高さ約6メートルの場所から墜落し、
脊椎損傷の重傷を負ったもので、足場を組み立てるなどして作業床を設けたり、安全帯を使用させるなどの安全対策を
講じていなかった疑いです。
現場での事故ですので、労災保険(労働者災害補償保険)の適用となり、治療費については、ケガが治癒するまで現物給付
(労災病院、労災指定医療機関の場合)またはその費用が給付されます。
今回の事故は、脊髄損傷であるため、症状固定して障害がある場合には障害補償給付の対象となり、労働することができず、賃金を受けられないときには、休業4日目から休業補償給付もあります。
労災保険を適用することで労働基準法の上での責任は果たすことができますが、会社としてはまだ責任が残ります。
今回のように脊髄損傷の場合、身体にマヒが残り、最悪の場合、半身不随状態となることも考えられ、そうなったことで失った、作業者の方が将来にわたって得られるはずであった利益のことを「逸失利益」といい、会社に対して、この逸失利益を慰謝料と合わせて損害賠償請求されるケースが増えています。
現場に入る際のリスクに対する補償はしっかりご準備されていると思いますが、このような場合に機能する内容になっているか、保険金額は足りているか、見直しをお勧めています。
建設現場での労災事故に必要な備えで気になることがございましたら、エールまでお気軽にお問合せください!